「夢」でしたから。僕らの年代はバブルの絶頂期にあって、その頃もてはやされていた”フランス料理”に対するひとつの憧れがありました。そしてその第一人者として活躍していた三国清三(きよみ)というシェフへの憧れ、それがあってコックになりたいと思ったわけです。この世界に入るとき「大きなホテルに入って一生勤め、安泰にやっていく」または「修行していずれ独立する」、大きくはそのいずれかを思うんですが、僕はまずはホテルで修行しようかなと考えた。そうしていくうちに、独立したいという野心が芽生えていったという感じです。
本当は30歳までに独立したかったんですけどね。家庭を持ったということもありましたし、いざ「料理長になってくれないか」とオファーがあったときに、それまでに培った人間関係や責任感というところで、簡単に断ることはできなかったというのもあります。「頭になったら、またいろんなことが見えてくるよ」と先輩にも言われ、それでとりあえず経験してみようと思って徳島に来たわけです。独立したいという気持ちはずっと持っていましたよ。でも、そう簡単に辞められないし、辞めさせてくれない。タイミングを計りながらやっていました。
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